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【国内】防衛省昇格で新たなる課題

 大方の人が防衛省昇格によってひとつの課題がクリアされたと見るよりは、これが新たなスタートもしくはただの通過点と見る人がほとんどでしょう。しかし、今後の課題についてきちんと議論している新聞が少ないのは非常に残念です。

 ・防衛省法成立 海外へ組織再編急務 「安保」外務省と主導権争い(iza)

 防衛「省」昇格関連法成立を受け、防衛庁は来年1月9日の発足に向け、庁内に検討委員会を設置し、昇格に向けた準備作業に着手した。同庁幹部は成立後に国会から帰庁した久間章生防衛庁長官を万雷の拍手で出迎えたが、「省」にみあった組織づくりはこれからだ。(加納宏幸)

 ■本来任務化

 防衛庁は関連法成立後ただちに西川徹矢官房長を委員長とする「省移行関連措置等検討委員会」を設置したが、3週間あまりで省に昇格するため、当面、組織自体は大きく変わらない。
 ただ、これまで自衛隊法で「付随的任務」とされてきた自衛隊の海外活動は、国土防衛と同様の「本来任務」に明確に位置付けられたことで、新たな態勢作りが急務となった。
 防衛庁は海外に派遣される部隊を訓練する「国際活動教育隊」、派遣部隊の先遣隊の役割を担う「中央即応連隊」を新設することにしている。また、海外活動で必要になる大型輸送機の導入などで輸送体制の充実を図る方針だが、歳出削減を迫られる中、予算確保は厳しい状況だ。

 ■意識格差

 防衛庁内局の文官(背広組)と、自衛隊の武官(制服組)は「水と油」の関係といわれるが、省昇格を歓迎しているのは主に、他省と対等になる背広組だ。
 吉田正航空幕僚長は15日の記者会見で「地域の安定化に向け国連平和維持活動(PKO)や国際緊急援助などは今後ともしっかりとやっていかなければいけないが、さしあたってすぐ何かが変わることはない」と淡々とした表情で語った。
 「やっと他省と横並びになった」「米国防総省と対等に交渉ができる」と背広組は手放しで昇格を喜ぶが、制服組からは「背広組が防衛省昇格にかまけて、予算獲得に身が入っていない」との不満の声も漏れる。

 ■対等の立場

 北朝鮮核実験後、外務省内では、周辺事態認定を行い、北朝鮮に出入りする船舶の検査に踏み切るべきだとの声が強まった。これに対し防衛庁幹部は「外務省は船舶検査、船舶検査と騒いでいるが、言動に責任を持ってもらいたい。実施官庁はこちらなのだから」と不満を隠さなかった。
 外務省は、日米安全保障条約を所管し、戦後長く安全保障問題で前面に立ってきた。防衛庁が米国防総省との関係を強めたのは、新たな「日米防衛協力のための指針」が平成9年に策定されて以降。久間章生防衛庁長官は国会答弁で、防衛省と外務省との関係を「主従関係ではない。政策官庁として双方が対等な立場で、議論しながらやることになる」と述べた。今後、国際貢献を推進するため自衛隊の海外活動に前向きな外務省と、対等な発言権を求める「防衛省」との主導権争いが激しくなりそうだ。

                     ◇
 ≪西元徹也元統幕議長≫
 ■恒久法制定も必要
 防衛「省」昇格関連法が成立し、自衛隊の海外活動がこれまでの「付随的任務」から「本来任務」になれば、自衛隊はこれまで以上に重い責任を負う。その責任を果たすためには、海外活動を随時可能にする一般法(恒久法)の制定、武器使用基準の緩和の2つが必要だ。国際協力活動を主体的、積極的に行う全体像を示せるよう、政治は態勢作りに努めてもらいたい。

 防衛庁が政策官庁の防衛省に変わることの意味は大きいが、真の政策官庁を目指すためには自衛隊の運用や訓練に詳しい自衛官トップの統合幕僚長が事務次官と対等に防衛相を補佐する仕組みを作る必要がある。そのため、文官だけが官房長、局長になれる防衛参事官制度の見直しや、首相補佐官への自衛官の登用を提言したい。

 将来、自衛隊は自衛軍にすべきだ。それには2つの理由がある。1つは給与体系で、現在は国家公務員の一直線に増える体系を採用しているため、専門的な知識、能力を持った准尉、曹長クラスの給料を上げるためには幹部にするしかない。部隊の精強性確保のため、一番能力の高い人たちを現在の階級のまま処遇できる仕組みを作るには軍隊としての給与体系を作る必要がある。もう1つは、防衛法廷のような独自の軍法会議を持つことだ。国家のために任務を遂行している者が自衛のために相手を傷つけたとき、刑事被告人になるというのは計り知れないダメージになる。

 冷戦時代、自衛隊が実際に使われるのは災害派遣など数えるほどしかなかった。だが、そういう位置づけに耐えて錬成をした隊員たちがいたからこそ、平成3年にペルシャ湾に掃海艇を派遣して以来の自衛隊の「行動する時代」に対応できたことを省昇格後も忘れてはならない。(談)

                ◇
 ■防衛庁の沿革
昭和25年8月 警察予備隊が発足
  26年9月 日米安全保障条約に署名
  29年7月 防衛庁、陸・海・空自衛隊が発足
  35年1月 新・日米安保条約に署名
  39年6月 政府が省移行法案を閣議決定。国会には未提出
平成3年 4月 湾岸戦争後に掃海艇など6隻をペルシャ湾に派遣
   4年9月 陸自部隊をカンボジアに派遣
     9月 米中枢同時テロが発生
 13年12月 インド洋で海自補給艦が洋上給油を開始
  15年3月 イラク戦争勃発(ぼっぱつ)
  16年1月 陸自をサマワに派遣
  18年6月 政府、防衛「省」昇格関連法案を通常国会に提出
    12月 省昇格関連法が成立
  19年1月 防衛省が発足


 こちらの記事のように、防衛省昇格自体は背広組の悲願であったかもしれませんが、大半の国民や自衛官(制服組)自体には大した問題ではありません。

 もちろん国防問題、安全保障問題を扱う官庁であり、「自衛隊」という武力を管理する部署が「省」になることになんの抵抗感もありません。むしろそうなることが当然だと思います。

 しかし、引用した記事のタイトルにもあるように、安全保障を担当する部署は外務省なのか防衛省なのか、と言った問題もありますし、今後様々に議論すべき議題が待ちかまえています。

 また、省昇格問題よりも大きな問題として、「憲法改正」問題、つまり自衛隊を軍隊として認めるかと言った問題が待機しています。そして憲法改正をしても「安全保障基本法」など骨格の枠組みが出来るまでは自衛隊の役割の本質的変化は望めません。防衛庁(自衛隊)が国際的にもまともな組織に脱皮するには、まずはそちらを目指すべきです。

 防衛庁の背広組は今回の省昇格に浮かれることなく、これからの課題に向けて邁進してもらいたいです。
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2006年12月16日 政治 トラックバック:- コメント:4

 こっち(URL)の人達の事も考えて欲しい。
 下に厚くないと制服組が怒るでしょう。
 防備に従事している方が無駄に血を流さないですむ様に有事対応の事を考えて欲しいですよ。

2006年12月17日 どらっへ URL 編集

1つは給与体系で、現在は国家公務員の一直線に増える体系を採用しているため、専門的な知識、能力を持った准尉、曹長クラスの給料を上げるためには幹部にするしかない。部隊の精強性確保のため、一番能力の高い人たちを現在の階級のまま処遇できる仕組みを作るには軍隊としての給与体系を作る必要がある。
この問題点では誤認があるだろう。そもそも国家公務員法の枠組みを「自衛軍」が収まらないのならば、上記の見解は理解できる、しかし、「自衛軍」になったとしても公僕としての立場には変わりないわけであり、給与体系そのものに大きく変化をもたらすわけではない。「自衛軍」という呼称そのものでは法理的な意味合いも変わらないのであって意味があるとは思えない。
>もう1つは、防衛法廷のような独自の軍法会議を持つことだ。国家のために任務を遂行している者が自衛のために相手を傷つけたとき、刑事被告人になるというのは計り知れないダメージになる。
特別裁判所の設置という部分で「軍法会議」を設置することは重要である。それは瀬戸内シージャク事件などの事例を含めれば十分だが、まずそれに対応するためには、部隊行動基準、ROEレベルの策定が必要である。それもなしに軍法会議のような裁判所は意味がないわけであって、法律なき司法というヴィジョンは不足があるだろう

2006年12月17日 self0507 URL 編集

任務の特殊性も考えれば別の給与体系でも差し支えないと思いますよ。
アホみたいな顔して、机に踏ん反り返る役場の兄ちゃんと、海外で撃たれるかも知れない中で、機雷や地雷を片付けたりする隊員を一緒にされるのは…命張って貰う手当ての安すぎる事と言ったら、涙が出ますよ。
今後は治安維持も任務に入るでしょうから、民間人とのトラブルだって起きます。一般の法律で片付けられない問題を判断する場所は、必要になります。防衛省がしっかりとした考えが出来上がるまでは、特措法として盛り込んでおけば良いのではないでしょうか。
背広組は外務省と張り合う事しか考えていないような浮かれた感じですね。今後海外へ派遣される隊員からすれば、これからが大変だというのに。ちゃんと予算取ってこいよ!

2006年12月17日 水兵長 URL 編集

防衛庁長官はクズでもいいのか?
中国詣でしてたらしいな。

2006年12月18日 worldwalker (・∀・) URL 編集












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